ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化とは?何が違うの?グローバルで求められる話し方を徹底解説
グローバルで仕事をする際、必ず知っておくべきポイントとして『ハイコンテクスト』と『ローコンテクスト』があります。
これらは異文化間でのコミュニケーションの違いで、理解しないまま会話を進めると必ずトラブルが起きます。
特に日本人が多く経験するのは
自分が伝えたつもりでも、相手に伝わっていなかった…
という状況です。
これは単純な英語力不足ではなく、お互いの『コミュニケーションスタイルの違い』が要因です。
うまく伝えるためにと考えて新しい単語をインプットしても、大きな効果はないでしょう。
- それでは、このような異文化間のコミュニケーションギャップは埋められないのでしょうか?
そんなことはありません。
相手のコミュニケーションスタイルにあわせた適切な方法で伝えることで、意思の疎通が図れます。
この記事では、文化の異なる相手との円滑なコミュニケーションを目的に、現役英語コーチの筆者が次の点について解説します。
- ハイコンテクストとローコンテクストの違い
- 文化の異なる相手との効果的なコミュニケーションのポイント
- ビジネスでローコンテクストが求められる理由
✓この記事の筆者と信頼性
✓大手英語コーチングスクールのコーチとして在職中
✓メディアライター
留学経験、英語コーチングスクールのコーチとしての経験に基づき英語学習の情報発信をしています。>>>執筆者リスト
ハイコンテクストとローコンテクストとは
まずはハイコンテクストとローコンテクストの違いについて、わかりやすく解説します。
この違いを認識して、相手とのミスコミュニケーションを未然に防ぎましょう。
コンテクストとは
そもそもコンテクスト(Context)とは何でしょうか。
コンテクストは『文脈』を意味する英単語で、文脈とは
- 相手と共有している価値観や文化、歴史
- 会話の流れや雰囲気
- 話している場の空気
などを指します。
ハイコンテクストとは
ハイコンテクスト(High-context)とは、上述した文脈(お互いの価値観や空気)に『依存する』会話の方法です。
- 直接的な表現を避けて、あいまいな言い方が多い
- 議論では否定的な言葉を使わず、遠まわしに拒否する
- 当たり前のことは、空気を読んで言わない
日本人に多いのはハイコンテクストな話し方です。
単一民族で同じ歴史や文化を共有しているため、会話では相手の表情、声のトーンなど言語以外の情報からも相手の意図が読み取れます。
例えば日本語で「大丈夫です」と伝えた場合、
- Yes(本当に”大丈夫”の意味)
- No(”結構です”の意味)
この両方が含まれます。
このときに「表情がニコニコしているから”Yes”」など、聞き手が判断します。
言葉だけでなく、言語以外の情報からも理解を求めるのが、ハイコンテクスト文化での会話です。
ローコンテクストとは
一方でローコンテクストとは、文脈に『依存しない』会話の方法です。
- あいまいな表現を使わずに、直接的で明確な言葉で伝える
- 議論では積極的な意見交換をして、お互いの解決策を探る
- 当たり前なことでも繰り返し伝える
アメリカやイギリスで多い話し方です。
多民族国家で多様な文化が共存している国では、発言した言葉のみが意味を持ちます。
個人ごとに価値観が異なるため、「伝えなければ伝わらない」という考えが根付いています。
例えば議論の場で相手の意見に対し、
- Agree(同意します)
- Disagree(同意しません)
いずれかの主張とその理由を明確にします。
このときに話し手は、表情や声のトーンなど発言の内容以外に意味を含みません。
誰にでもわかるように、明確で簡潔な言葉で伝えることが、ローコンテクスト文化での会話です。
ハイコンテクストの国、ローコンテクストの国ってどこ?
それでは『ハイコンテクストの国、ローコンテクストの国』ってどこでしょうか?
良い画像があったので引用させていただきました。
皆さんご存じのように、日本は代表的なハイコンテクストな国です。
その他にも、中国・韓国・インドなどはハイコンテクストな国と言われています。
逆にドイツ・アメリカ・カナダ・オーストラリアなどはローコンテクストな国と言われています。
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効果的なコミュニケーションのポイント
続いて、異文化間での効果的なコミュニケーションのポイントをご紹介します。
ハイコンテクストの日本人が
- ハイコンテクストな人と会話する場合
- ローコンテクストな人と会話する場合
それぞれについて解説をします。
相手がハイコンテクストの場合
ハイコンテクストな人と話す場合、相手が日本人か海外の人かで、会話の方法は大きく変わります。
相手が日本人 | 相手が日本人以外 |
---|---|
声のトーンや表情など言語以外の情報からも意思が伝わる | お互いに言葉で伝える必要がある |
日本人同士でのやり取りでは、特に意識することはありません。
声のトーンや表情を含めたやり取りでも意思が伝わります。
ただし、日本以外のハイコンテクスト文化の人には、言葉で伝えなければなりません。
例えばインド人同士では共通した文化があるため、多くを語らなくとも相手に伝わります。
ただ日本とインドでは共有している文化や歴史はほとんどありません。
お互いに以心伝心で伝わることを期待してしまうと、ミスコミュニケーションのトラブルが起きます。
そのため、
- 相手にわかりやすいように明確に伝える
- 相手の発言を注意深く聞き、会話の意図を理解する
- 不明瞭な点は細かく質問をする
このようなローコンテクストなやり取りが、お互いの誤解を防ぐために重要です。
相手がローコンテクストの場合
アメリカなどのローコンテクスト文化の人と仕事をする場合、次のポイントに気を付ける必要があります。
- 言葉にあいまいさをなくすこと
- 結論とその理由をわかりやすく伝えること
- 考えていることはすべて口に出すこと
- 重要なポイントは当たり前なことでも繰り返し伝えること
日本とは異なり「途中まで言えば全部わかってくれる」ことはありません。
必ず言葉にして、具体的で直接的な表現で話す必要があります。
「伝えたけど、相手に伝わっていなかった」などのトラブルが日本人に多くあります。
このほとんどは、相手に行間を読んでもらおうとして「明確に伝えていない」ことが原因です。
相手にあわせた適切な方法で、円滑なコミュニケーションを図りましょう。
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ハイコンテクストとローコンテクストのメリット・デメリット
ハイコンテクストとローコンテクストでは、どちらが優れているのでしょうか?
それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
ハイコンテクスト | ローコンテクスト | |
---|---|---|
メリット | ・細かな説明が不要 ・表情や声のトーンで意図が通じる ・コミュニケーションが早い | ・聞き手が理解しやすい ・コミュニケーションでのトラブルが起きにくい ・多国籍のチームでも意思の疎通が図れる |
デメリット | ・聞き手の理解力が求められる ・誤解やトラブルが起きる可能性がある ・グローバルな環境では通じない | ・すべてを言葉で伝える必要がある ・細かな点も確認や伝達が必要で、コミュニケーションが煩雑になりやすい |
この通り、どちらにもメリットとデメリットがあります。
ポイントは、お互いのコミュニケーションスタイルを尊重して、相手にあわせた会話をすることです。
ビジネスでローコンテクストが求められている理由
両方にメリットはあるものの、ビジネスではローコンテクストなやり取りを求められることが増えています。
その理由は次の2点です。
- テレワークの普及
- 社内外のグローバル化の加速
それぞれ解説します。
テレワークの普及
テレワークの普及により、日本人同士でもローコンテクストなコミュニケーションが求められるようになりました。
対面とは異なり、メールやチャット、オンライン会議では以心伝心で「なんとなく伝わる」ことは限られるとわかったためです。
- 部下に対する簡潔で具体的な指示
- 上司に対する直接的でわかりやすい伝え方
- お互いに重要なポイントは繰り返すこと
このような表情などに頼らないローコンテクストなコミュニケーションが、重要になっています。
社内外のグローバル化の加速
社内外のグローバル化の加速も、ローコンテクストなやり取りが求められる要因の1つです。
多様なバックグラウンドをもつ人との会話では、『明確な言葉』を使って意思の疎通を図らなければなりません。
相手がハイコンテクスト文化の場合も、空気を読んでもらうことを期待すると、あなたの意図が誤解される可能性があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、文化が異なる相手とはローコンテクストなやり取りをしましょう。
ローコンテクストな会話力が身につくスクール
それでは、どのようにすればローコンテクストな会話力が身につくのでしょうか?
多くの英会話スクールでは”英語力”を伸ばすレッスンに留まり、異文化コミュニケーションの効果的なトレーニングは期待できません。
ただし、以下のスクールに限っては習得が可能です。
- TORAIZ(トライズ)
- スマートメソッド
- English Company
- ベルリッツ
それぞれ解説します。
TORAIZ(トライズ)
公式サイト | https://toraiz.jp/ |
合計金額(概算) (最短プラン料金+入会金) | 1,455,000円 |
月額料金(概算) | 約116,000円/月 ※返金保証あり |
初期費用 (入会金・教材費など) | 55,000円 |
分割払い | あり |
教室所在地 | ・東京丸の内校 東京駅徒歩3分 ・新宿南口校 新宿駅徒歩2分 ・田町三田校 田町駅徒歩5分 ・渋谷校 渋谷駅徒歩6分 ・池袋校 池袋駅徒歩1分 ・銀座校 銀座駅徒歩7分 ・横浜西口校 横浜駅徒歩3分 ・大阪梅田校 梅田駅徒歩3分 ・名古屋校 名古屋駅徒歩1分 |
オンライン対応 | 〇 |
運営会社 | トライオン株式会社 |
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スマートメソッド
おすすめポイント | ローコンテクストな話し方の実践練習 |
料金(通常プラン) | 594,000円(約148,500円/月) |
初期費用 | なし |
受講期間 | 4ヵ月 |
分割払い | 可能 |
オンライン対応 | 可能(オンラインのみ) |
運営会社 | 株式会社レアジョブ |
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グローバルでのビジネスに適した、お互いに誤解がないコミュニケーションを身体で覚えられると評判です。
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ENGLISH COMPANY
教室 | 6校(新宿・銀座・神田・梅田・神戸・四条烏丸) ※オンライン指導も有 |
営業時間 | 平 日:10:00-22:00土日祝:9:30-22:00 |
入会金 | 55,000円 |
講師 | 日本人プロトレーナー |
受講期間 | 3ヶ月 or 6ヶ月 |
月額料金(概算) | 187,000円/月(3ヶ月総額で1ヶ月分に割った金額) |
料金 | ◆パーソナルトレーニングコース (マンツーマンレッスン) 3ヶ月(1回90分x週2回)=561,000(3ヶ月総額) 6ヶ月(1回90分x週1回)=679,800(6ヶ月総額) ◆初級セミパーソナルコース (少人数5人程度) 6ヶ月(1回120分x週1回)=264,000(6ヶ月総額) ◆中級セミパーソナルコース (少人数5人程度) 3ヶ月(1回120分x週1回)=231,000(3ヶ月総額) ◆上級セミパーソナルコース (少人数4人程度) 3ヶ月(1回120分x週1回)=240,900(3ヶ月総額) |
返金保証の有無 | 30日間返金保証 |
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受講可能時間 | 5:00~25:00 |
講師 | ネイティブ |
教材 | ビジネス |
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最後に
今回はハイコンテクストとローコンテクストの違いや、お互いのコミュニケーション時のポイントをお伝えしました。
グローバルのビジネスで相手に伝わらないのは、英語力が低いからではありません。
ほとんどの場合、コミュニケーションスタイルの違いが原因です。
難しい専門用語をどれだけ覚えても、行間を読んでもらうことを期待して話している限り、相手には伝わりません。
「以心伝心」「空気や行間を読む」「あうんの呼吸」などは同じ文化を共有する日本人同士に限った伝え方です。
- 言葉にあいまいさをなくす
- 結論とその理由をわかりやすく伝える
- 考えていることはすべて口に出す
- 重要なポイントは当たり前なことでも繰り返し伝える
このように伝えたいことはすべて言葉にすることが、文化の異なる相手との適切なコミュニケーションです。
ビジネスでのトラブルを防ぐためにも必ず身につけたいスキルの1つです。
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